【図解】Visual StudioでOpenCVの始め方(VC++) Part1 [OpenCVを入手しよう]

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こんにちは、現役エンジニアの inno_tech です。

画像処理ライブラリOpenCVを使った開発をしたいとお悩みでしょうか?

本記事では、画像処理ライブラリOpenCVWindows + Visual Studio2019(Visual C++)の環境で、新規プロジェクトを作成する方法をまとめています。

まずは、OpenCVをWindowsにインストール方法から説明します。

もくじ

OpenCVのダウンロード

github からダウンロードします。下記のリンクにアクセスしてください。
今回はOpenCV 4.2.0をダウンロードすることにします。
https://github.com/opencv/opencv/releases

github | OpenCV ダウンロードページ
github | OpenCV ダウンロードページ

色々ファイルがありますが、下記の.exeファイルがバイナリパッケージのインストーラーです。

opencv-4.2.0-vc14_vc15.exe

この中にはコンパイル済みのDLL, libファイルソースファイルが含まれています。(バイナリパッケージ と呼ばれます。)
ただし、64bit用のバイナリしか含まれていません

使用するコンパイラのバージョンが、VC14 or VC15 且つ、x64向け用プロジェクトを開発する場合、このバイナリパッケージをダウンロードしてください。

それ以外の場合(例えば32bit用のバイナリが必要な場合)は、自分でソースコードからビルドする必要があります。その場合、Source code(zip) をダウンロードしてください。

本記事ではバイナリパッケージを利用する方法、ソースコードからビルドする方法の両方を説明します。

バイナリパッケージを利用したOpenCVインストール方法

バイナリパッケージのダウンロード完了後の手順を説明していきます。

バイナリパッケージの解凍

バイナリパッケージ(.exe) を実行すると、ファイルの解凍先を選択するダイアログが出るので、好みの場所に解凍してください。
解凍先の直下にopencvディレクトリが生成されます。

opencv/build/x64 配下にVC14, VC15フォルダがあり、その中に DLLとlibファイル が存在します。
今回は、opencv_world420.dll, opencv_world420.lib をプロジェクトから使用します。

環境変数を追加

環境変数PATHに、OpenCVのDLL格納先 を追加します。これはプロジェクトからDLLを参照するために必要な設定です。

コントロールパネル > システムとセキュリティ > システム >  システムの詳細設定 から、環境変数の設定画面を開きます。

Windows | システムのプロパティ
Windows | システムのプロパティ

ユーザー環境変数、もしくはシステム環境変数Path」にDLLが存在するディレクトリを追記します。

[opencvのルートディレクトリ]\build\x64\VC14\binを追加します。

Windows | 環境変数Pathの追加
Windows | 環境変数Pathの追加
Windows | 環境変数Pathの編集
Windows | 環境変数Pathの編集

その後、環境変数を反映するため、Visual Studioを再起動してください。
バイナリパッケージを利用する方は、次の「ソースからビルドする方法」はスキップしてください。

ソースからビルドする方法(OpenCV32bit DLLのビルド方法)

事前準備:CMakeをインストール

CMakeというビルド用のソフトウェアが必要なので、インストールします。

CMakeのダウンロード先はこちら。

CMakeとは、Windows, Linuxといった異なるプラットフォーム間のビルドを一括管理するための仕組みです。
OpenCVは複数のプラットフォームをサポートするためCMake用の設定ファイルが用意されています。


CMake ダウンロード先では、「Binary distributions」から自分の環境に合うインストーラーをダウンロードします。
今回は Windows10 x64bit環境 なので「cmake-3.16.2-win64-x64.msi」をダウンロードします。

CMake | ダウンロード画面
CMake | ダウンロード画面

ダウンロード完了後、インストーラーを実行します。

CMake インストールの流れ

インストーラーの起動後、Next をクリック。

CMake | インストーラー起動直後
CMake | インストーラー起動直後

次に、ライセンスに同意するチェックを付け、Nextをクリック。

CMake | ライセンス同意画面
CMake | ライセンス同意画面

環境パスの追加オプションが開くので、2番目の全ユーザーへの追加を選択し、Next をクリック。
(デフォルトは1番目のPATHを追加しない)

CMake | 環境パスの追加オプション

インストール先のフォルダを選択し、Nextをクリック。

CMake | インストール先の選択
CMake | インストール先の選択

確認画面が表示されるので、問題なければインストールを開始します。
1分ほどかかります。

以上でCMakeのインストールは完了です。

CMakeでソリューションファイルを生成

続いて、CMakeを用いて OpenCVビルド用のソリューションファイル(.sln) を作成します。
その後、.slnファイルを開き、通常のVC++プログラムと同様にビルドすれば、OpenCVのDLLが生成されます。

今回は、32bit用のOpenCV DLLをビルドする場合を例に手順を説明します。

まずは、CMake(cmake-gui) を起動してください。
このような画面が表示されるので、下表のように設定してください。

CMake | 初期起動画面
CMake | 初期起動画面
項目設定内容
Where is the source codeCMakeLists.txtが存在するディレクトリを指定します。
opencvのフォルダの直下にCMakeLists.txt があるはずなので、そこを設定します。
Where to build the binaries出力フォルダを指定します。 自由に設定してください。
CMake | 設定項目

設定完了後、「Configure」をクリックすると、下の画像のウィンドウが開きます。
下表のように設定してください。

CMake | Configure設定
CMake | Configure設定
項目設定内容
Specify the generator for this projectビルド環境を選択します。今回はVisual Studio 2019を使用しますがお使いの環境に合わせてください。
Optional platform for generatorビルドターゲットを選択します。
今回は32bit用のOpenCV DLLを作成するため、「Win32」を選択します。
CMake | Configure設定項目

設定完了後、Finishを押下すると、CMakeの展開が始まるので数分待ちます。

処理が終わると、このような画面になります。

CMake | 展開結果
CMake | 展開結果

リストボックス内にあるチェックボックスは、ビルドオプションなので必要に応じて変更していきます。
今回は、以下を変更してください。

BUILD_opencv_world」 をチェックOFF ⇒ チェックON

設定終了後、「Generate」ボタンをクリックします。
再び、CMakeの処理が始まるので1分ほど待ちます。

全ての処理が終わると、「Where to build the binaries」に指定したフォルダ直下に.slnファイルが生成されています。

ソリューションファイルのビルド

Visual Studio で .slnファイルを開きます。

CMakeTargets配下にある 「INSTALL」プロジェクトをビルドします。

ビルドにはかなり時間がかかりますので辛抱強く待ちましょう。
当方の環境では約20分かかりました。

ビルドが完了後、[ソリューションディレクトリ]/install配下 libやbinのフォルダ が生成されます
この中に、 OpenCVの .libやDLL があります。

以上が、OpenCVのソースコードからビルドする方法です。

バイナリパッケージと同様、dllが格納されているディレクトリを環境変数PATHに追加すれば、他のプロジェクトからx32bit用DLLを参照できるようになります。

最後に

今回は、OpenCVのDLLファイルの準備の手順を説明しました。
次回は、これらのDLLファイルを使ってVisual Studioのプロジェクトの設定する方法を説明します。

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